さて今日は我々、万引チョコレイトの機材車「スーパー係長」を紹介しよう。
ベース車両はTOYOTAハイエース(ディーゼル車)。
こう見えても、2018年モデルの所謂、5型(とか4型後期)とか言われてるヤツだ。
つまり、何が言いたいかというと、結構新しいクルマなんですよ・・・ということなのである。
なので、買ったばかりの頃はピカピカに黒光りしてたのだ。
ピカピカしたものは出来るだけピカピカを維持したいと思うのが人間の性であろう。
この頃はピカピカさに舞い上がって、うっかりガソリンスタンドでガラスコーティングなぞ依頼してしまったが、今となって余計な出費をしたものだと思う。

行きつけの美容室サロン・ド・カーシュカーシュさんの前で。
ピカピカ当時はこのハイエースの名前は「係長」だった。
この黒光りしたハイエースも良かったんだけど、昔からギトギトにボロっぽくしたバンドの機材車みたいなのに憧れてたので、思い切って塗装を施すことを決意した。

ピカピカ時代の係長と岡山の災害支援に向かった
ハイエースの自家塗装《ステンシル》
塗装と言っても特に業者さんにお願いするわけではなく、YouTubeの動画でイメトレに励んでから自分で塗るのである。
スプレーを使っても良いと思うが、艶消しブラックの霧が風に乗ってご近所の壁やらクルマやらを汚すといけない。
無用なトラブルは極力避けたい派の私は、そのような事情もあって今回はハケ塗りを選択したが、いや、むしろハケ塗りのほうが汚いムラが出来やすくて好都合というものである。
元来、そこそこ手先が器用な私はスプレーなどを使ったら、うっかりキレイに塗れてしまう恐れがある。
そんなことになるくらいなら、元のピカピカ仕様のままでいたほうがマシである。
とは言え、
最初のうちは、まだ踏ん切りがつかず、ボディはピカピカ仕様のままで、ボンネットにマットブラックのフィルムを貼り、その上からバンドのロゴを型抜きしたステンシルシートをあてがってスプレーするという、中途半端なマネをしていた。
(いやはやお恥ずかしい)

ハンパ者だった時代

まずはステンシルシートをあてがう。

サクッとスプレーする。

凄まじい中途半端感である
とまぁ、この辺までは難なく進んだが、結局このステンシルのロゴは、あとから真ん中に移動させた。
ハイエースの自家塗装《マスキング》
汚くても良いとは言っても、やはり塗るべきでない箇所にまで塗料が付着すると後々、面倒なことになるので、一応、マスキングはシッカリやることにした(とは言え、自己流)。

まずはバンパー&グリル付近から。

後部の窓ガラスもきちんと養生。

トヨタのエンブレムは外しちまおう。

このブルーのフィルムは意外と使いにくかった。
ただのつや消し黒の時代
さて、このハイエースの自家塗装での難所は屋根である。
この時期、たしか6月前半だったと思うが、それでも晴れた日の直射日光をふんだんに蓄えたハイエースの屋根は熱したフライパン並の暴力性を持つのだ。
と言うわけで、実際にハケ塗りしている場面を写真に撮ったりしている余裕はなかった。
また、ハイエースを全面塗装するとなると、やはり結構な面積となるので、がんがんダレまくりながらサッサと塗ってしまわないと途中でイヤになってしまう可能正大だ。
そんなわけで、せっせと作業し、夕暮れ近くになって、一応、全体的に塗りきった。
細かい部分で塗り残しがあると思うけど、そういう塗り残しや、あとから塗料が剥がれてしまった部分なども、チョコチョコとハケで微修正する。
そうして、あとから重ね塗りした部分の塗料が垂れて、塗面がボコボコになるのもオツなものである。

この段階ではまだまだ中途ハンパ感がある。
ハイエースを世紀末車にする《鉄板風フィルム》
ただ色を塗っただけではツマランと思い、以前、YouTubeで見かけた「世紀末風のクルマ」というメチャクチャ自由なカスタマイズ手法を取り入れてみることにする。
「世紀末風のクルマ」というのは、錆びっぽい風合いに仕上がる塗料で「錆びてるっぽく」したりする手法だ。
エイジング塗装とか言うようだが、私が狙っている世界観はまさにソレである。
また、サビ塗装だけじゃなく、なにかを貼ってみるという手法もアリのようだ。
ということで、今回はボディ両サイドとボンネットに鉄板風フィルムを貼ってみる。
バスの階段とかに使われてそうな模様の鉄板風のパターンになっているラッピングシートをアマゾンで購入。
そして、近所の百均で購入してきたボタンをボンドで貼り付けて、「雑にボルト止めした感」を演出してみる。

鉄板風フィルムを貼る位置は感性に委ねるのみ。

左右非対称で貼るのがオツというものだろう。

この時点でステンシルのロゴは中央に移動済み。

フロントの鉄板も黒に塗る。
ボディ右側を自家製ステンシルで攻める
さて、全体的に艶消し黒で凄みが出てきたところに、要所に鉄板風フィルムをあしらうことで、だいぶイイ感じになってきた。
しかし、ハイエースのボディには「ココになにか書いてください」と言わんばかりの平面が用意されている。
つまり、ここからが本番である。
勿論、ここはバンド名を書こうと思うが、オリジナルのロゴはすでに前後パネルにステンシルでスプレーしているので、サイドも・・・となるとチョットしつこい。
ということで、ネット検索でなにか気の利いたフォントを探してみると、パンクバンド「CRASS」風のフォントを発見。
正直、このフォントで書かれると、なんて書いてあるのかよくワカランが、むしろソコがPUNKっぽくて良い。
このフォントを係長のボディ右サイドにステンシルで吹き付けることにする。
ボディ全体および、サイドパネル寸法などを入念に検討した末、絶妙な文字サイズ導き出す。
そして、有無を言わさずダイソーに駆け込み、A3のボール紙を4枚購入。
そして、我家に眠っているA3対応のカラープリンタの出番である。今まで実際にA3サイズの紙を印刷したことはなかったが、ついに眠れるカラリオが火を吹いた。
んで、カラリオに火を吹かせて出てきた印刷物に対し、カッターで入念に切り抜いていく。

たいへん集中力のいる作業だ。

実は結構ジグザグしてるCRASS風フォント。

本番は1発勝負。

まぁなんとか上手くいったかな?
ボディ左側に耐水ポスターを貼る。
さて、ボディ左側は、また別のドレスアップだ。
万引チョコレィトのロゴマークはモヒカン顔のイラストのバージョンもあるが、こちらはカラー作品で、文字の部分とかを塗装で表現するのは素人の手に余る作業だ。
ということで、色々考えた末、耐水印刷された屋外用のポスターを使うことを思いついた。
株式会社ラックスさんが運営するHotdogger.jpというサイトで、そういったものをワンオフで作ってくれる。

これが入稿用の原稿。
注文したのは「大判ポスター印刷(カスタムサイズ)」というもので、実質0.9平米の印刷物。
なんと、3,300円(税込み)。
それに送料が900円。合計4200円と、思いの外、安かったのも嬉しい。
貼り付けた感をゴマカス苦肉の策!
こいつをボディ左側に貼るが、どうしても「あとから貼った感」が拭えないので、いっそのこと「貼ってる」ことをアピールする方向でドレスアップすることにした。
ポスターの素材はビニールではないんだろうけど、なんかビニールっぽい素材で、とにかく紙ではない。
これなら水で絵が流れるということはなさそうだが、念の為、表面につや消しクリアーをスプレーする。
防水ポスターの裏面に両面テープを全面に貼って、ボディに貼り付ける。

マットクリアーを吹くのでマスキングする。
ポスターとボディの境目にコーキング材を適当に塗って、「なんとなく溶接しました感」を演出。
アマゾンでリベット留め風のシールを購入して、防水ポスターの周囲に貼り付けて、「取ってつけた感」を演出。あまったリベット風シールはボンネットに貼り付けた。

安くて使えるHotdoggerの大判ポスター。
ハイエースの錆び塗装に使ったと塗料は?
いよいよ仕上げは錆び風のエイジング塗装だ。
調べてみると、複数の会社から錆び塗料なるものが出ているが、今回、私が選んだのは「ターナー」という会社の「ラストメディウム(錆風)セット MK10002C」というもの。
赤錆と黒錆を表現する2種類の塗料のセットで約1400円ほどと、まぁ、そんなに高くはないと思う。
(っていうか、安さで選んだので、他社製品はもっと高かった)
スポンジに適量をとり、ポンポン叩くようにして、錆び錆び塗料を置いていく。時には擦りつけてみるのも良いかもしれない。

いかにも錆びそうな場所を想像するのが大事だ。

可動部分がこすれて錆びてきた感を演出。

メッキ部分の輝きがアンバランスな感じがするね。

やりすぎ注意。やらなすぎ注意。

ボンネット上にはリベットシール。
こうして仕上がった万引チョコレイトの機材車(ハイエース5型?)は係長からスーパー係長へと昇進することとなったのだ。

そして、愉快な仲間たちとツアーに行く。
K-zou追記
最初はイイ感じだった耐水ポスター作戦だったが、2年目の夏を過ぎたあたりから徐々に歪みが目立つようになった。そのうち、そのブヨブヨ感に嫌気がさし、ついにこの部分も実ペイントで塗ることにした。

2年目にブヨブヨ化してきた耐水ポスター
ということで、この耐水ポスター作戦時代を「スーパー係長 version.1」と呼ぶことにした。当然ながら、実塗りバージョンの方は「スーパー係長 version.2」となる。
スーパー係長version.2の塗装の模様は、また日をあらためて紹介したい。

スーパー係長ver.2

愛情込めて手で描いたver.2の方が気に入ってる